あの子に会えへん
8日の日曜日に、あの子と、あの子のお母さんが
ワテとこの子になったんよ。
けど、ワテは、あの子に会えへん。
ワテと、兄さんが、遊んでいた2階の部屋を
あの子と、あの子のお母さんに貸してあげてるねん。
ワテ、早いこと、あの子に会いたいけど
その部屋は、オバチャンしか入れへん。
あの子、チロちゅうねんけど、
チロも、お母さんも、
オバチャンに姿を見せへんのやて。
部屋のすみに隠れてるんや。
厳しいノラで生きてきたからなぁ、
人間になびかへん、根性あるわ。
ワテも、ノラやったけどな・・・
人間に懐いたら
暖かい部屋で、美味しいもん食べられて、
オバチャンに可愛がってもろうて、
時々、お客さんにも、愛想ふりまいたら
「可愛い、可愛い」「コバンは、ええ子や」言うて、
いっぱいナデナデしてくれるし。
こんなええ商売ないで~。
ノラで、いる時より、ずっと、ずっと楽やのになぁ~
ワテら、ネコ族は、人間を癒せる大きな力を持ってるんや。
これは、天職やで。
せやし、ワテらは、勝手気まま、わがままに生きていても
人間は「癒されるゥゥゥ」って言うんや。
夜もな、オバチャンの布団に入って
オバチャンの手枕で寝るんや。
オバチャンがな、「寝返り出来ひんし、腰が痛いやん」と言うけど
そんなの関係にゃい。
けど時々、兄さんに、「オバチャンの布団に入るな、
ここは、ずっと前から、ワシのテリトリーや」って
怒られる時があるねん。
そんな時は、オバチャンの足の所に行って
オバチャンが、夜中にトイレに行ってる間に
また布団にもぐり込むねんよ。
暖かいで~。
チロとチロのお母さん、早うオバチャンと友だちになって欲しいなぁ
ワテ、あの子こと、忘れてしまいそうや。