あれ、寒ぶなったで~
なんや、えらい寒ぶなったやん、急に。
こういう夜は、寝るのが一番。
あっ、兄さんが来たぁ。
なんや嫌な予感がするで…。
来た、来た、来やはったで~。
兄さん、あっち行ってぇなぁ。
いやー、コワイ顔やこと。
ワテひとりで寝たいねんけど。
かなんなぁ~。
まぁ~、しゃーないなぁ、寒ぶいしにゃ。
ネコ団子は、温ったかいし、
これもええもんやなぁ。
けど、兄さん、重いわ…。
雨ばっかりやん
なんや、雨が、よー降るなぁ。
毎日、雨やんか。
ワテは、外へ行かへんし、
雨でも、なんでもええねんけどな、
けどな、
あのものすごい雨の音が、コワイねん。
めちゃ、コワイねん。
オバチャンは、
「お盆は忙しい」とか、
「オッちゃんが、お精霊(おしょうらい)さんで
帰ってきやはるねん、
グレもコバンも、
オッちゃんのこと覚えてるか」って言わはるねんけど、
そんなこと言われてもなぁ~、
ワテは、さっぱり何のこっちゃわからん。
そう言えば、この家にオッちゃん、居てたなぁ。
あの優しいオッサンのことかにゃ~。
忘れたわ。
けど、お盆は、お客さんが、来やはってええなぁ。
お客さんは、
「コバンちゃん、可愛いな」って言うてくれはるねんで。
よっしゃ~、ワテは、お客さんに甘えるで~~。
オバチャンは、「雨や」「お盆や」やと、うるさいわ。
人間って、ややこしいなぁ。
ワテには、さっぱりわからん。
けど、今日は、オバチャンが、のんびりしてるで。
「お盆」は、終わったんや。
やったぁ!
さぁ、甘えるで~~
いっちゃん好きやねん、オバチャンが~。
猛暑やで~
えらい暑うなってきたやん。
たまらんわ。
ワテ、なんや冬毛のままやんか。
困ったなぁ。
夏毛にならへん。
そしたらな、オバチャンが、
「コバンは、ミミズクに似てるわ」って言うんや。
なんや、ミミズクって、フクロウやったら
ワテ、知ってるで。
なんや「ほー、ほー」って、夜に鳴くらしいわ。
知らんけどな。
けど、ワテは、鳥も、ネズミも、よう捕まえへんけどな。
そんな野蛮なことせんと、
人間におねだりするほうがええもん。
兄さんは、どこへ行かはったんや。
あれ、こんなとこに居やはるわ。
暑いのに、なんで箱に入ってるんや。
ほんとは、
兄さん、すごい格好で寝てるの知ってるで。
チロロのオカンも
この暑さに、玄関まで出てきたで。
えらいリラックスしてるわ。
オカン、教えたろ。
この家で、一番涼しいとこは、
ここやで。
ツチノコって何~
暑いなぁ~、
オバチャンも、「暑いっ」言うて
ワテを抱っこしてくれやらへん。
この毛皮なんとかならんかなぁ~
こういう時は
床でゴロゴロがええなぁ。
う~ん、気持ちええわ。
ありゃ、チロロのオカンも、
ワテの真似しとるやん。
よっ、オカン、暑いなぁ。
なんや、返事しよらへんがな。
ほなら、オバチャンがな、
「なんや、あんたら、ツチノコみたいやな」って
言わはるねん。
「ツチノコ」???なんや、それ?
美味しいもんか?
なんやオバチャンが言わはるには
ヘビに似た幻の生き物やて…。
よーわからんけどな。
ほんで、今日は、コバンのツチノコやで。
お客さんが来たら
びっくりさせたろ。
ここにでも、
ほんで、ここでも
へへへ、ツチノコポーズ、気に入ったで~。
チロロのおかんが
「なんや、コバン、アホやなぁ」て、言うとるわ。
ええねん、ワテは、気にしえせへんし。
梅雨ってなぁ~に
なんや、毎日、雨やん。
よう降るにゃ~。
おばちゃんは、「梅雨や」て言うけどな
なんや、梅雨って。
美味しいもんかいなぁ~。
まぁ、ワテは、外へ出へんし、
おばちゃんも雨で
家にいてくれたら、膝にのれるし、ええやん。
ほんで、雨降りは、よう寝られるわ。
チロロは、やっぱり外へ出たいし
庭ばっか、恨めしそうに見とるわ。
はよ、家猫に慣れや、チロロ!
家は、ええで~。
美味しいもん食べられて、甘えられるしにゃ~。
けど、この頃、兄さんの機嫌が悪いねん。
ワテが、おばちゃんの膝で寝てたら
「どけどけ」って、膝を取らはるねん。
まぁ、ええけどな、
その後、ワテも取り返すしな。
兄さんの憂鬱は、
ワテは思てるけどな。
兄さん、ワテにまで、ケンカ売ってきやはるねん。
かなんにゃ~。
そしたらな、チロロまで
ワテのこと追っかけてきよるねん。
まぁ、あの子は、ワテと遊びたいのやと思うけど
本気になりよるし、チビは、困ったもんや。
オカンも、時々、ワテのお尻を嗅ぎにくるんやで。
ワテは、嗅がれたら、いややねん。
ワテは、はよう、みんなと、仲良ようなりたいねんや。
けど、おばちゃんの膝は、絶対、取ったらあかんで。