夏、終わるって~
この頃、チロのオカンは
2階の引きこもり部屋から出て来て、
チロのそばに、寄っていきよるわ。
チロもオカンに甘えとおる。
オカンってええなぁ。
ワテは、オカンって何かわからん。
ワテは、オバチャンがそばにいてくれたら
それでええねんけど・・・。
ワテにも、オカンがおったんかな・・・。
兄さんも
オカンを知らんやろ。
兄さんは、孤児院で育ったんやもんなぁ。
ワテは、オバチャンが居てくれたら
それでええんや。
けど、この頃な、
オバチャンは、
「濃厚接触はアカンで」て、
なにやようわからんこと言うて
抱っこしてくれへんねん。
ワテは、哀しいわ。
ほんで、この間、
お客さんが来やはった時な、
ワテ、そりゃ、マダムの方がええけどな
いや、もう、こうなったら、オッチャンでも何でもええし
「抱っこして~」って甘えたんや。
ほなら、優しいオッチャンや、
抱っこしてくれはったで。
わぁ~い、抱っこしてもろうた!
うれしかったわ。
この頃、夜になったら
虫の声がするなぁ。
オバチャンは
「コバン、もう秋やで」って言うけど
けど、暑いやん。
夏でも秋でも、ワテは、寝るのが商売や。
顔、隠して寝たろ。
ふ~ん、秋っか~。